日曜日に妻の実家に行ったら、トラが助けを呼ぶような泣き声で駆け寄ってきました。
前日、大田原の妹がミニチュアダックスの「チー」を連れて泊りに来ていて、チーのことを嫌いなトラは、一晩中家の中に入れず、前の納屋で寂しく一夜を過ごしたのでした。

妻がすっかり体が冷えてしまったトラを抱き上げて、「オー、かわいそうに」と言いながら強く抱きしめてやると、より一層声を張り上げて、トラはいじめられた子どもが母親に訴えるように泣き続けるのでした。

トラと友達になりたい「チー」。花火の次にチーが嫌いなトラ。結局今年もこの構図は続いたままでした。どうしたら犬と猫は仲良くなれるのでしょうか。来年度の大きな課題であります。

家に近寄ろうとしないトラに、ばあちゃんが朝ごはんを新聞紙の上に載せて運んできて、トラは庭の朝の陽ざしの中での朝食となりました。ばあちゃんは、トラがかわいそうで仕方がないようでした。

しばらくして、妹夫婦が近くに用事があるとチーを置いて出かけたのですが、車が見えなくなった途端にばあちゃんはチーに向って何やら呟き始めました。何を言っているのかと近づいてみると、

「チー、お前は利口だな。よしよし。だから、頼みがある。来年の正月は茂木に来ないで、一人（一匹？）で大田原で留守番しているんだぞ。たとえ、皆が一緒に行こうといっても、絶対断れよ。正月はチーだけは来るんじゃあねえぞ」

そう言い聞かしているのでした。ばあちゃんは、チーが来ると家に入れないトラを思って、正月は来ないようにとチーを説得しているのでした。

解ったのかどうかは知りませんが、チーは尻尾を大きく振りながら、ばあちゃんの手をペロペロなめていました。
来年の正月は一体どうなることやら・・・
トラとばあちゃんの心配は続きます。