奥白根山登頂の興奮がなかなか冷めず、茂木町南部、逆川地区の焼森山と鶏足山に登った。林道に車を置いて、４２３ｍの焼森山まで３０分、鶏足山までは１時間で登ることができた。
この日は、風がなく気温も涼しく、少し曇ってはいたが遠くに那須や高原山、日光の山々を望め、３６０度のパノラマを楽しむことができた。特に鶏足山の山頂からの眺望は「素晴らしい」の一語だ。こんな近くに、こんな素晴らしいところがあったのだと改めて確認した次第だ。
途中、鶏足山の手前で食事を取っている家族に出会った。お父さんとお母さんと２１歳になるお嬢さまと３人のパーティーだった。３人とも、とても気立ての良い方で茨城県鉾田市からいらっしゃったとお聞きした。ここでも、「山を愛する人に悪い人はいない」ということを確認することができた。それにしても家族で登山とは何ともうらやましい思いだ。
その夜の夕食のときに、妻と娘に、「うちも家族で山に行こう。山の紅葉は素晴らしいぞ」と誘ったのだが、二人して声をそろえて、「お父さん一人で楽しんでくれば」とあっさりと拒否された。おまけに妻からは、「お父さん、ジャージとトレパンじゃあなくて、もう少しきちんとした山の服装で行ってください」と、たしなめられる始末だ。私は心の中で密かに反論した。「かまねでおごれ（かまわないでください）」。