高校３年になる娘の机の上に、「大学入試センター試験過去問題集」が重ねられている。娘が留守のときに、そっと問題集を開けてみた。常日ごろ、娘に向かって、「お父さんのころはもっと真剣に勉強に取り組んだものだ。今でも、まだまだ、お前たちには負けない」などと豪語しているのだが、実際に問題に当たってみて驚いたといおうか、ガッカリした。
高校のころ、得意としていた科目なのに、さっぱり分からない。数学、英語に至っては「ちんぷんかんぷん」だ。自分の能力の衰えに、ただただ、愕然とした。
問題集を閉じて机に戻しながら、この事実は受け入れがたいが受け入れざるを得ないだろうと自分に言い聞かせると共に、これからは娘に向かって「お父さんのころはな・・・」などと言ってうるさく注文をつけるのは止めようと思った。