土曜日の早朝、馬門地内の田園から三基のバルーンが飛び立つ場面に遭遇した。「ボー、ボー」という、バーナーで熱気を気球に送り込む音がしばらく続いた後、静かに離陸し、見る間に大空に向かって高度を上げていった。
バルーンは基本的には上下にしか移動をしない。あとは、空気の層の風向きをとらえて目的地を目指すことになる。この日は高く舞い上がった後、西の方面に向けて飛んで行った。
一度私も搭乗させていただいたことがある。一気に高度をかせぐので当初は足がすくみ、ロープにしがみついてじっとしているだけだったが、しばらくするとあたりを見回す余裕も出てきた。また、風がすごいだろうと思っていたが、バルーンも風と一緒に動いているので、全く音のない静かな世界になるのには驚いた。
下界からはバルーンに驚いた犬や牛の鳴く声が聞こえてくる。保育園の園児たちの「オーイ」と叫んでいる声も聞こえる。ゴルフ場の上を飛んだ時にはコースがよくわかり、なるほどあそこに打ってはいけないのだなと納得した。
バルーンは私たちの夢を乗せて大空を飛んでいるような気がする。