東京オリンピック・パラリンピックのごたごたの陰に隠れてあまり注目を浴びなかったが、2022年の冬季五輪が中国・北京に決まった。北京周辺には雪がないので、200㎞も離れた都市でスキー競技を行うという。今回、事前に有力とされた都市は財政難を理由に次々と撤退し最終的にはアルマトイとの決戦になったのだが、結局は世界第２位の財政力と巨大市場をＩＯＣは選択したのだろうといわれている。
　それにしても、2018年冬が平昌（韓国）、2020年夏が東京、2022年冬が北京と３大会連続東アジアでの開催では、５大陸の連帯を旗印とする五輪の理念が薄まらないか。さらには、2026年冬の大会に札幌市が名乗りを上げるというが、いくらなんでも「ＳＡＰＰＯＲＯ」の選択はないだろうと思われる。
　今回の東京五輪ではさまざまな問題が噴出したが、これを契機に、私たち日本人はオリンピックというものに対する考え方を、原点から見つめ直してみる必要があると思っている。