ミーコが妻の実家に迷い込んでから、12年の歳月が流れる。もうすっかり飼い猫だ。そのミーコだが、ここ1年ほど少し気になることがある。動きがやや緩慢になったような気がする。毛色の艶が落ちているようにも見える。私たちが農作業をしている時も畑には来るが、以前のように飛び回ることはなく、そばでじっと見ているだけだ。私たちが部屋に入ると抱っこをねだることも多くなった。寒い日はほとんど日の当たる縁側で寝そべっている。ジャンプ力は間違いなく落ちた。結局、ミーコも「歳をとった」ということか。それでも、食欲だけは変わらず旺盛なので、まだまだ元気で長生きするのだろうと思う。猫の1歳半は人間でいう20歳になり、それ以降は1年で4歳ずつ歳をとるのだそうだから、ミーコは人間に例えれば60歳半ばということになる。
　ミーコは私たちの人生に多くの「幸」を与えてくれた。これからも、ミーコとの日々を大切に歩んでいきたいと思う。