103万円の壁の議論が活発化している。当初、私もこの壁が引き上げられることにより、多くの方が12月になっても壁を気にすることなく働けるようになるのは良いことだと思っていた。これにより、手取りは増えて、労働力不足も解消できるからだ。
　しかし、いざ議論が公になってみると、さまざまな問題があることが分かってきた。町長としてもっとも懸念するのは約6～8兆円にも上るという税収減である。茂木町では約4億円の減収になるとの試算が出ている。これだけの税収減をどう穴埋めしていくのか。所得が増えることにより消費が喚起され、経済が回ってくるという意見もあるが、そう簡単に事が運ぶのか。また、社会保険にも大きな影響が出てくる。
　国会議員の先生方にはぜひ、プラス面、マイナス面を国民に分かりやすく説明しながら、ことを進めてほしい。万一、壁が引き上げとなる場合は、地方の減収分は国がしっかりと担保することをお約束いただきたい。