茂木町の山内甲（かぶと）地区へ、中山間地域直接支払交付金の使われ方、
現場状況をなどを視察するために、農林水産省の方がいらっしゃいました。

日本の国土面積の７２％は、茂木町のような中山間地域と呼ばれるところ
です。この地域は今、過疎化、耕作放棄、鳥獣害など、多くの問題に直面
しています。
しかし、この地域は日本の食糧生産の４割を担うほか、山林を保全し水や
空気を作りだすなど多面的機能を持っており、ある意味、都市部の発展を
支える重要な役割を果たしているのです。

そこで、中山間地域の農業に「環境保全」という公益的な役割を認めて、
「地域がまとまって田や畑の草刈りや水路の管理などの活動をしてくれた
ところには国と県と町が直接助成しましょう。その助成金の一部は個人、
また一部は地域おこしなどに自らの考えで使ってよいですよ」
という制度が、「中山間地域等直接支払制度」と呼ばれる制度です。

この制度は、茂木町にとって本当にありがたい制度で、現在８６の集落が
参加し、約１億円の助成金が地域に還元されています。
茂木町の各地で展開されている「地域おこし」は、この取り組みが基本に
なっているのです。

今、この制度の存続が、国の事業仕分けなどで先行き不透明になっています。
私たち全国の市町村長が結束し、この制度の永久存続、また、さらに弾力的な
運用などが認められるよう声を大にして、国への要望活動を続けています。

なお、農水省の皆さんは甲地区の皆さんの熱心な取り組み（棚田のオーナー
制度やホタルの保護活動など）に大変感心し、また、お茶うけに出された
山の幸に舌づつみを打って感動して帰られました。

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