町長の部屋 8月17日号
猫の「とら」②
「とら」の親は両親とも、とても賢い猫であったが、ただ、もとは
野良猫で、それがいつの間にか家に近づき、餌を与えられるように
なって住み着いてしまった。
共働きの飼い主が朝家を出るときには外に出され、夕方、ご主人様
が帰る頃になると家の玄関口で待っているという生活を送っていた
ようである。だから、「とら」が生まれたのは外の物置であったし、
目が開き歩けるようになってからは、日がな一日、野外で自由に遊び
まわって両親に育てられた。
「とら」にはそうした、よくいえば「野生」の、悪く言えば「野良」
の血が流れているようで、その暴れん坊ぶりは時折度を越していて、
鳥やカエルやヘビを捕まえてきては家の中に持ち込み、母に自慢げに
見せるのであった。
私や家内がいるときにはきつく叱るのだが、「とら」がかわいくて
仕方のない母は何をやっても叱らない。ともかく「とら」の言うとおり。
特に、夜になると家の外に出たいとせがむ「とら」に、母が「とら、
こんな夜中に外に出ると不良になるから大人しく寝ろ」などと言うと、
逆に母に猫パンチを食らわせるほどなのである。
「とら」は、全くの不良息子になってしまったのだ。
私は妻と謀って、少し大人しくなるようにと去勢手術を母に具申したが
「そんなかわいそうなことは止めどごれ」と一蹴されてしまった。
(つづく)
野良猫で、それがいつの間にか家に近づき、餌を与えられるように
なって住み着いてしまった。
共働きの飼い主が朝家を出るときには外に出され、夕方、ご主人様
が帰る頃になると家の玄関口で待っているという生活を送っていた
ようである。だから、「とら」が生まれたのは外の物置であったし、
目が開き歩けるようになってからは、日がな一日、野外で自由に遊び
まわって両親に育てられた。
「とら」にはそうした、よくいえば「野生」の、悪く言えば「野良」
の血が流れているようで、その暴れん坊ぶりは時折度を越していて、
鳥やカエルやヘビを捕まえてきては家の中に持ち込み、母に自慢げに
見せるのであった。
私や家内がいるときにはきつく叱るのだが、「とら」がかわいくて
仕方のない母は何をやっても叱らない。ともかく「とら」の言うとおり。
特に、夜になると家の外に出たいとせがむ「とら」に、母が「とら、
こんな夜中に外に出ると不良になるから大人しく寝ろ」などと言うと、
逆に母に猫パンチを食らわせるほどなのである。
「とら」は、全くの不良息子になってしまったのだ。
私は妻と謀って、少し大人しくなるようにと去勢手術を母に具申したが
「そんなかわいそうなことは止めどごれ」と一蹴されてしまった。
(つづく)

愛らしかった子猫の頃のとら
参考リンク
お問合せ先
- 企画課 広報情報係
- TEL: 0285-63-5616
- FAX: 0285-63-0459